天蛇の由来

幼い頃、雨上りの空に虹を見たとき、祖母が「てぃんぱう(天の蛇)」と指差し、教わったことを思い出す。
台風が過ぎ、蛇崎(ぺうなざき)(東平安名崎)で、まだ荒れ狂う波のしぶきにも天の蛇(てぃんぱう)を見た。
あの頃の東平安名崎(ひがしへんなざき)の岩には、蛇(ぱぁう)の眼(みー)がへばりつき、白百合が咲いていた。
先日、クジラが蘇ったケラマ海峡で、海底から響く不思議なラブソングを聞き、海面から吹き上がるブローにあの頃の天蛇を見た。
まだ、沖縄にはあの頃のふるさとがあると思った。

※宮古島の方言
・天(てぃん)の蛇(ぱう)=虹

※天蛇® 登録第4763969号